第6回「次世代エネルギー物質科学の基盤構築」講演会
工学研究科未来工学研究センター研究課題
「革新的低炭素化技術に関する物質科学研究」 第4回講演会
下記のとおり長崎大学第2期重点研究課題において,川口博之先生,藤原哲晶先生,鷹谷 絢先生を長崎大学に招待いたしました。
未来工学研究センター研究課題「革新的低炭素化技術に関する物質科学研究」 第4回講演会および第645回化学・物質工学セミナー
も兼ねております。
万障お繰り合わせの上,ご参加下さい。
工学研究科物質科学部門 森口 勇
時間 | 講演内容 | 講演者 |
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14:30- 15:30 |
「求核的遷移金属錯体の創製に基づく二酸化炭素固定化反応の開発」 | 東京工業大学大学院理工学研究科 鷹谷 絢 助教 |
15:40- 16:40 |
「二酸化炭素を有用化学物質へと変換する錯体触媒反応の開拓」 | 京都大学大学院工学研究科 藤原哲晶 助教 |
16:50- 17:50 |
「前周期遷移金属錯体を反応場とした二酸化炭素の触媒的および量論的分子変換」 | 東京工業大学大学院理工学研究科 川口博之 教授 |
【Abstract】
- 「求核的遷移金属錯体の創製に基づく二酸化炭素固定化反応の開発」
-
二酸化炭素を一炭素源として利用するカルボン酸誘導体合成法の開発(炭素−炭素結合形成による二酸化炭素固定化)が近年注目されている。我々は,独自の錯体触媒設計などに基づき,低反応性分子である二酸化炭素への求核付加を円滑に起こす求核的遷移金属錯体活性種を創り出すことで,不飽和炭化水素を原料とする様々な形式の二酸化炭素固定化反応を開発することに成功した。
- 「二酸化炭素を有用化学物質へと変換する錯体触媒反応の開拓」
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我々は、遷移金属錯体を利用し二酸化炭素の活性化と炭素-炭素結合形成を経由しカルボン酸誘導体を得る反応の開発に取り組んでいる。入手が容易な有機化合物と二酸化炭素から有用なカルボン酸誘導体が合成可能となることから、このような反応を効率的な触媒プロセスとして確立できれば、カルボン酸やエステル類の新たな合成法として魅力的である。本発表では、我々の研究室で見出した触媒的な二酸化炭素固定化反応について紹介する。
- 「前周期遷移金属錯体を反応場とした二酸化炭素の触媒的および量論的分子変換」
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我々は前周期遷移金属錯体を反応場として用い、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素などの小分子を対象に分子変換反応の開拓に取り組んでいる。本発表では、二酸化炭素の触媒的および量論的分子変換を中心に報告する。例えば、ジルコニウムのベンジル錯体とB(C6F5)3の反応から得られるカチオン性錯体を触媒とし、ヒドロシランによる二酸化炭素の還元反応が進行し、メタンが生成することを見出した。