第4回「次世代エネルギー物質科学の基盤構築」講演会
工学研究科未来工学研究センター研究課題
「革新的低炭素化技術に関する物質科学研究」 第2回講演会
下記のとおり長崎大学第2期中期目標・中期計画重点研究課題 第4回「次世代エネルギー物質科学の基盤構築」講演会を開催致します。万障お繰り合わせの上,ご参加下さい。
工学研究科物質科学部門 森口 勇
時間 | 講演内容 | 講演者 |
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14:40- 15:40 |
「フェロセン化ナフタレンジミド誘導体:医療診断からナノ材料への展開」 | 九州工業大学大学院工学研究院 竹中繁織 教授 |
15:50- 16:50 |
「反応サイト制御型光触媒を用いたCO2の還元系の構築」 | 九州工業大学大学院工学研究院 横野照尚 教授 |
【Abstract】
- 「フェロセン化ナフタレンジミド誘導体:医療診断からナノ材料への展開」
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ナフタレンジミド誘導体は縫い込み型インターカレーションと呼ばれる特有なDNA結合により二本鎖DNAと安定な複合体を形成する。これまでフェロセン化ナフタレンジミド誘導体とDNA修飾電極との組み合わせにより電気化学的遺伝子検出法を実現してきた。最近、本誘導体が4本鎖DNAへ結合することを見出し、この性質を利用することにより迅速な癌診断法を実現した。また、β-シクロデキストリンをさらに導入した新規誘導体によって均一溶液中でシグナルオン型の二本鎖DNA検出に成功した。二本鎖DNA上でβ-シクロデキストリンとフェロセンとの包接複合体を形成させることによりDNAナノロッドの形成が実現された。
- 「反応サイト制御型光触媒を用いたCO2の還元系の構築」
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酸化チタンの表面構造を制御し、特定の結晶面のみが露出した酸化チタンを調製することによって、高効率な多電子反応を可能にしたアナタース型及びブルッカイト型酸化チタン光触媒を開発した。また、g-C3N4とWO3をナノレベルで複合化し、反応サイトの分離制御を可能にしたナノコンポジット型光触媒を開発した。これらの触媒を用いて光照射下においてCO2を還元する反応系の構築について検討を行った。