長崎大学第2期中期目標・中期計画重点研究課題「次世代エネルギー物質科学の基盤構築」において、標記セミナーを開催いたします。
多数のご参加を頂きたく、お願い申し上げます。
重点研究課題リーダ- 森口 勇
時間 | 講演内容 | 講演者 |
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10:30- 10:35 |
開会の挨拶 | 長崎大学大学院工学研究科 教授 森口 勇 |
10:35- 11:15 |
Elastic Layer-structured MOF(ELM)のゲート現象のメカニズム | 千葉大学大学院理学研究科 教授 加納博文 |
11:15- 11:55 |
ナノ制約遷移金属イオンの水和構造・ダイナミクス・反応 | 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授 大久保貴広 |
11:55- 13:30 |
休憩 | |
13:30- 14:10 |
移流集積法を利用したコロイドナノ粒子パターン構造制御 | 京都大学大学院工学研究科 助教 渡邊 哲 |
14:10- 14:50 |
分子シミュレーションによるゼオライト鋳型炭素の合成とその応用可能性 | 京都大学大学院工学研究科 講師 田中秀樹 |
14:50- 14:55 |
閉会の挨拶 |
【要旨】
- 講演1:千葉大学大学院理学研究科 教授 加納博文
「Elastic Layer-structured MOF (ELM)のゲート現象のメカニズム」 - ELMの中でもELM-11([Cu(bpy)2(BF4)2] (bpy = 4,4'-bipyridine) は層構造を開くことで二酸化炭素などの分子を層間に取り込むゲート現象を示すが、ゲート現象のメカニズムはまだよくわかっていない。今回、ゲート現象の分子取り込みの速度論的解析を試み、このゲート現象がアレニウス過程には従わない、すなわち活性化過程に基づくものではないことを明らかにしたので報告する。
- 講演2: 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授 大久保貴広
「ナノ制約遷移金属イオンの水和構造・ダイナミクス・反応」 - 安全性の観点から現行の電解液を固体電解質に置き換えた全固体型Liイオン二次電池が次世代電池として注目されている。しかしながら、固体中のイオン伝導性が低いこともあり、十分な性能を発揮するには至っていない。本研究では、高容量と高出力を可能にする革新的な全固体型Liイオン二次電池の開発Uにチャレンジする。
- 講演3:京都大学大学院工学研究科助教 渡邊 哲
「移流集積法を利用したコロイドナノ粒子パターン構造制御」 - 移流集積法は、蒸発が誘起する流れによって粒子をメニスカス先端部に集積する手法で、通常、均一膜の形成 に用いられる。我々は、適切に条件を設定すれば、本手法を用いて、ストライプ状やドット状、さらにはSierpinski Gasket状のパターン粒子膜が得られることを見出した。本講演では、粒子濃度や塩濃度などのマクロな操作因子が構造に与える影響、そしてそれら構造の形成メカニズムについて述べる。さらに、得られた粒子膜の応用例についても紹介する。
- 講演4: 京都大学大学院工学研究科講師 田中秀樹
「分子シミュレーションによるゼオライト鋳型炭素の合成とその応用可能性」 - ゼオライト鋳型炭素(ZTC)は、ゼオライト(鋳型)の細孔内に炭素を析出させた後に、鋳型を除去することで得られる規則性多孔質炭素である。本研究では分子シミュレーションによって、ゼオライト内における炭素の合成プロセスを再現すると共に、ZTCやその前駆体がガス貯蔵や水素同位体分離などへの応用が可能な高い機能性を有することを明らかとした。